東京高等裁判所 昭和31年(ラ)73号 決定
抗告人は、本件訴訟の原告において抗告人の参加申出に対し、口頭弁論で異議を申出でる前に証人申請などをしているから、民事訴訟法第六十七条によりすでに異議を述べる権利を失つていると主張するが、本件訴訟の記録につき調べてみると、抗告人が本件参加申出書を提出(その日時は同書に押捺の原裁判所の受付印によれば、昭和三十年六月十一日と認められる。)した後、昭和三十年六月十三日午前十時の本件訴訟の最初の口頭弁論期日に自ら出頭し、右書面に基ずいて参加の申出を陳述したところ、同期日に出頭した原告訴訟代理人から直ちに右申出に対し異議が述べられていることが明かであり、その後参加の許否の裁判が速かになされることなく本件訴訟の続行口頭弁論期日が二回開かれ、その各期日に原告訴訟代理人が弁論をなし書証の提出証人尋問の申出もしているけれども、すでに抗告人の参加申出に直ちに異議を述べてある以上、その後の口頭弁論期日に弁論をしたからと云つて、民事訴訟法第六十七条により「異議を述べる権利を失う」ものではない。裁判所は同法第六十六条第一項に従い参加の許否につき決定を以つて裁判をなすべきものであるから、抗告理由第二点また失当である。
(斎藤 菅野 内海)